Symbolブロックチェーンネットワークアップグレード

概要

SymbolブロックチェーンのオフィシャルXアカウント（@thesymbolchain）は、2025年9月23日に、ネットワークの重要なアップグレードを告知しました。このアップグレードは、ブロック高 4,759,100 において計画されております。推定時刻は、UTC時間 2025年9月25日 23:30頃（日本時間では9月26日午前8時30分頃）となる見込みです。主な目的は、Symbolネットワークにおける潜在的な被攻撃可能性（攻撃ベクトル）に対処することで、ノード運用者に対して迅速な更新を呼びかけています。

アップグレードの詳細

このネットワークアップグレードは、潜在的な被攻撃可能性に対処するもので、特定条件下でアグリゲートトランザクションハッシュが一意にならないバグが修正されています。また、依存ライブラリの更新（cppzmq 4.11.0、RocksDB 10.5.1、OpenSSL 3.5.2）が行われ、全体的な安定性とセキュリティが向上しています。また、Rest Gatewayのバージョン2.5.1では、アグリゲートトランザクションv3のサポートが追加され、WebSocketトランザクションにおけるmaxFeeプロパティの欠落問題が解決されています。これらのアップデートは、ネットワークのフォークを伴うもの（破壊的フォーク）であるため、ノード運用者は事前の準備が必要です。

Catapult Client v.1.0.3.9
- 修正済：特定条件下でアグリゲートトランザクションハッシュが一意にならないバグを修正(破壊的フォーク)
Rest Gateway v2.5.1
- 修正済：WebSocketトランザクションにmaxFeeプロパティが欠落

開発者向け情報提供

JavaScriptおよびPython SDKのバージョン3.3.0、旧TypeScript/JavaScript SDKのバージョン2.0.6、Java SDKのバージョン1.0.4へのアップデートが推奨されています。これらのSDK更新は、dApp（分散型アプリケーション）の互換性を確保するためのものであり、フォークブロック高到達後にアプリケーションをリリースするよう注意喚起されています。

また、ノードセットアップツールであるsymbol-bootstrap（バージョン1.1.12）とsymbol-shoestring（バージョン0.2.2）の更新版がGitHubで公開されており、迅速なアップグレードが支援されています。

影響と対応策

このアップグレードは、Symbolネットワークのセキュリティを強化し、潜在的な被攻撃可能性を修正する点で重要です。特定条件下でアグリゲートトランザクションハッシュが一意にならないバグは、悪意ある攻撃者がネットワークを混乱させる可能性を秘めており、その修正により信頼性が向上します。

企業ユーザーにとっては、安定したプラットフォームの継続がビジネス継続性に寄与するでしょう。一方、ノード運用者や開発者は、更新を怠るとネットワークからの分離（フォークアウト）のリスクが生じます。

アップグレードの実施時間はブロック高に基づくため、正確なタイミングはネットワークの進行状況により変動する可能性がありますので、SymbolブロックチェーンのオフィシャルXアカウント（@thesymbolchain）やSymbol Community Web サイトで最新情報を確認することを推奨します。