岩手県紫波町においてブロックチェーン技術を活用した地域DAO実証プロジェクトを開始
一般社団法人関西へルスケアサイエンスインフォマティクス(以下、KHSI、京都市、代表:龍岡久登)は、一般社団法人くらしの研究室(岩手県紫波町、代表:星真土香)、一般社団法人みんなの健康らぼ(以下、みんらぼ、岩手県紫波町、代表:坪谷透)と岩手県紫波町において、Symbolブロックチェーン技術を活用した地域DAO(分散型自律組織)実証プロジェクト「HATARAKU DAO」を開始することを発表しました。
この実証で取り組む主なテーマは以下のとおりです。
地域活動やまちづくりの意思決定を可視化し、住民の主体的参加を促進する
行政・企業・地域団体が協働し、持続可能な地域ガバナンスモデルを構築する
地域課題の解決に向けた新しい協働・合意形成の方法を検証する
「HATARAKU DAO」とは?
「畑多楽(=はたらく)でつながり、育てる笑顔、健康」をコンセプトにしたこのDAOのベースとなるのは、紫波町のコミュニティ畑でコミュニティナースが行う「社会的処方」の活動です。
この活動は、岩手県出身のコミュニティナース星が発起人となり、畑を地域に開放し、交流の場としたことから始まりました。現在ではその輪が徐々に広がり、年間延べ1,700人がイベントに参加するまでに成長しています。
畑で行われる「社会的処方」
コミュニティナースが畑で行う「社会的処方」では、薬ではなく、畑を通して「運動」「人とのつながり」「食事」「正しい健康知識」などを“処方”しています。具体的な活動内容は以下の通りです。
健康や野菜づくりの相談窓口
市民との学びの場
安心な居場所
世代を超えた交流の場
他職種の連携の場
ボランティア学生の育成の場
共食
社会的処方について
この、医療では手の届かない領域を支える住民(コミュニティ)の自律的な活動は、「社会的なつながりが健康と関連する」という考えに基づいています。これは、英国で「social prescription」として取り組まれている概念であり、日本では「社会的処方」と訳されることが多いものです。プロジェクトメンバーであり公衆衛生研究者である坪谷氏が専門としている領域です。
実証プロジェクトの目標
ヘルスケア分野の社会的処方とブロックチェーン技術を融合させたDAOを設計、その仕組みを実証します。これは、地域住民、行政、企業が協働し、透明で持続可能な地域運営の実現を目指すものです。DAOの設計および開発は、web3事業で実績のあるNetsujo株式会社(京都市、代表:飯田友広)と行います。
さらに、コミュニティ活動と連携したトークンシステムの検証も予定しています。参加や貢献を可視化し、地域内に「つながりと循環」を生み出すことで、ヘルスケアシステムの維持に貢献することを目指します。
本プロジェクトは、地域医療・ヘルスケア分野における本格的なDAO実証として注目されています。この先進的なテクノロジーを地域社会に実装し、地方発の未来を創造する新しい仕組みを発信してまいります。
ブロックチェーンEXPO 秋 2025への出展
今回の実証内容は、2025年10月8日(水)〜10日(金)に幕張メッセで開催された「第6回 Blockchain EXPO 秋 2025」にて紹介され、アプリデモの展示がされました。
プレスリリース